マインドマップの型をビジネスで使うには
5年間にわたり、当社ではビジネスパーソンの型を中心に、1000名以上の方にマインドマップをお伝えしてきましたが、その中で、こんな印象をお持ちの方が結構多いのです。
本を読んで、マインドマップを始めたが「嫌いになってしまった」
うまくいかない!思うようにならない。これって才能の問題?
(才能の問題ではありません!実は簡単なコツが!ヒントは、こちら。)
本やセミナーを通じて、書けるようになった。使えてはいる。
でも、本やセミナーで読んだり聞いたりしたほどではない。
あれ?この程度なのかな?(効果を上げる2つのポイント解説は、こちら。)
自分で書けるようになった。だから周りの人にも伝えたい!
良さをわかって欲しい。でもうまくいかない。(伝える上でのポイントは、こちら。)
むしろ、職場では使いづらくて、主に自宅で活用している。
これって、とってももったい。でもどうして???
最初からつまずく!こんな方にまず質問です
マインドマップは、思考ツールの一つの型。これをビジネスで使おうとすると、考えておかなければいけないポイントがあるのです。これが不明確だと、最初からつまずくことが多いのです。
ビジネスパーソンは、既に思考ツールを持っている だから
まず、嫌いになるのには、こんな理由が背景にあるようです。
学生の方や入社1〜2年目の社会人の方と、中堅以上のビジネスパーソンの方の違い。それは、自分なりのまとめ方や、パソコンソフトなどの<思考ツール>使い方について、一定のやり方を既に持っていること。たとえば、ちょっと整理するには、6W3Hを使う。プレゼンのストーリーづくりには、パワーポイントのアウトラインツールを使う、などなど。今の仕事の中で、すでに決まったやり方を持っているわけです。
これが、新しいツールに挑戦するときに、ちょっと邪魔になるケースがあるのです。
マインドマップは、たとえていうと、相当基礎の部分に相当する思考ツール。なので、ロジカルシンキングで新しいフレームワークを一つ学ぶとか、新しい図解のやり方をひとつ増やすとかとは、ちょっと位置づけが違う。もうちょっと根幹の部分にあたるのです。
だから、今ある道具を捨てて、すべてこれに移行して下さいといわれると相当に、抵抗がある。一方で、いろいろな面で行き詰まっている学生の方には結構通じてしまうのです。ノートがすべてマインドマップに変わってどんどん学習が進むようになりました!ありがとうございます。こんな事例がたくさんあります。
ビジネスパーソンがこれをやると、相当内心抵抗感が出てきます。現在やっている仕事が止まってしまうかも知れない。そこで、今のツールとどう共存するかが検討ポイントになるのです。一部を変えるところから始める。そこから拡げて行くという進め方が必要です。
セミナーでよくお伺いする質問!それは、まず何で使いたいですか?というものです。用途の一覧は、いろんな書籍にも載っています。まず、何で使いたいかを決めること!これがポイントです。もちろん学んでいく途中で変わってもかまいません。まず これから!を決めること、一気に全部と欲張らないことがコツなのです。
かき方の理由が分からないと続かない
使い方のイメージはとりあえずついた。では書き始める!ここで止まる方もいらっしゃいます。これがもう一つのビジネスパーソンの特長。
何でこのやり方をするのかがわからない。
意味が分からない!だからできない!
確かにこれまでのマインドマップの本やセミナーでは、あまり扱われてこなかったのがこの部分。脳の働きを説明して、脳に自然なツールがマインドマップ。さあ、体感してみよう。このアプローチで使えてしまう方も確かにいて、惚れ込んでマインドマップに移行した方もたくさん存じ上げています。
でも、ロジカルシンキングに慣れている方から見ると、頭の中はクェシュチョンマークだらけ。これでは、使えるようになっても続きません。理由が分からないと動けない!ビジネスパーソンには、そういうかたが多いのです。
中心から始めると言うんだけれど、なぜ?
単語で書かないといけないというけどどうして?
このぐにゅぐにゃの線は、どうしてあるの?直線ではだめなの?
なんでも書いていいんだよね!一方で単語を選ぶBOIって何????
イメージから書き始める という出だしで引っかかる!どうしてもイメージ必要?
カラーペンをつかう?その目的は?なぜ使わないといけないの?
はい、ひとつひとつきちんと答えがあります。どうしても、これまでの、ビジネスツールとの比較ではなく、もっと基本的な部分であることから把握するとよいでしょう。ただ、なかなか本で学びきれない部分があります。理屈もありますが、とても体感が重要だからです。
断言します。すくなくとも才能の問題ではありません。
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ここまでの話をまとめると、ユーザー側では、用途を明確にしていない。教える側は、なぜそうするのかという説明が足りない。だから、書き始めでつまずくビジネスパーソンが多いのです。
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<後半をお読みいただくと、この中のいくつかの答えを説明しています。>
思ったほど効果が出ないを解決する2つのポイント
使い始めてみた。でも思ったほど効果が出ない。こういう方にもよく出会います。マップを見せていただくと、一つ共通点があります。
色の使い方でも、イメージの使い方でもないのですというと、ちょっと驚かれる方もいらっしゃるかも知れません。マップが本に載っているようにキレイなマップでも、効果が感じられない方が結構いらっしゃいます。
ポイントはずばり、単語の数!
しっかり使いこなしている方が、次のステップで、色やイメージをしっかり考えていくのは、マインドマップの中級者としてとても大事。 集中度も上がるし、頭を使うパワーがアップします。 |
これを習得する前の段階で、色やイメージを意識しすぎると、手が止まる方が出てくるのです。くり返します。色やイメージは重要です。でも、それは、単語をある程度の数が書き出せるという前提があってのこと。まずは、単語の数を意識して欲しいのです。
なぜなら、マインドマップは、
だからです。頭の中で高速に起こっている考えの流れ(これをアソシエーションと呼びます)を、単語またはイメージの形で、紙の上に写し取ること。写し取った内容をもとに、自分の考えを振り返り(記憶のフック)、その結果として、考えが深まっていくのです。だから、基点は単語の数なのです。
ちなみにこの考えの流れを表すのが、ブランチと呼ばれる曲線です。
従来のメモでは追いつかない!!
この効果を理解いただくためには、これまでのメモが、頭の中で起こっている考えをきちんとフォローできていないという点を指摘する必要があります。 文章や文節で書く箇条書きや文章化では、考えているスピードに追いつかないのです。
マインドマップをメモの手法と捉えた場合に、通常のメモとは、決定的に違う点が3つあります。
「スピード早く」 この3つがあることで、自分の考えていることとしっかり向き合うことができる。全体を見ながら冷静に判断できる。だから、頭の中で起こっていることをきちんとフォローすることができるメモになるのです。 |
これを弊社では、キーワードを介して<自分とコミュニケーション>ができるという状況を創り出すとご説明しています。
単語で書く理由の一つは、このスピードに追いつくという点にあります。考えていることを判断せずにどんどん書き出す。スピードを早くして、どんどん書き出していくこと。
鍵は単語の数!なのです。
一生懸命書いているのに を乗り越える
私だって一生懸命書いている!でも書けないんだ。
そうですよね。なにも意図的に単語数を減らしているわけではありませんよね。
単語の数を増やすのには、「がんばる」ことではありません。自分なりに<書けない理由>を理解し、納得してから動くことが必要です。同時に理由に応じた解決策<具体的には、スキルと心構え>を活用することがポイントになります。
まず、一番多い理由が、そもそも考えるプロセスって書いていいんだ?という素朴な疑問から始まるモノです。 これまで私たちは、書き出す場合にある一定のルールに縛られています。 |
意識していないことも多いのですが、ある程度の結論がでたら整理して書くという習慣。これが身についている方がビジネスパーソンでは多いんです。場合によっては、結論しか書いてはいけないというルールを持っている人もいるくらいです。自分用のメモであっても書き出すのはある程度形になった意見のみ。
ここを「プロセスも書いていいんだ!」と自分に許可を与えることが必要です。このことを意識しながら、数枚書き出すと慣れてくるのです。
2つめは、収束できるか心配というケースです。これは、会議などチームの場でもよくある話です。自由にアイデアを出してOKですと会議をやると、初回は出るんだけれど、段々出なくなる。それは、自由に出し過ぎてまとまらなくなると、参加者が遠慮して自由に発言しなくなる。数を絞りたくなってくる現象です。同じことがマインドマップでも起こります。つまり、初回は意識してたくさんかいていたのに、まとめられないから次は、最初から単語数を減らしておこうという気持ちになることです。この壁を乗り越えるには、今は「発散」、ここから「収束」と意識を変えることが必要です。ステップを2つに分けることで、たくさんの単語を引き出すことができるようになります。(キーワード思考では、「発散」「関連付け」「収束」というさんプロセスにしています。詳しくは、小冊子をご覧下さい。小冊子はこちら。)
最後に、発散そのものに慣れていないケースです。この場合、ともかく書くことしか方法がないのですが、ここでは、マインドマップが本来持つパワーを使うことが可能です。とても単純なコトです。それは、ブランチと呼ばれる線を先に引くこと。埋める単語が分からなくてもとりあえず線を引くことです。
これらのスキルと心構えを使って、まずは20枚のマップを書いてみると、突き抜けることができるケースがとても多いです。(ちなみに、セミナーでは、ここを3枚程度のミニマップで強制的に乗り越える仕掛けがあります。すぐにしっかり使い方は、ライブセミナーにどうぞ。詳しくはこちら。)
伝えたい方!視点をここに置こう!
広めたい、伝えたい。マインドマップを使っていると、そういう気になりますよね。でも、実際にやってみて、伝わらないと感じる方もいらっしゃるかも知れません。
でも、その素晴らしさを伝えようとすればするほど、なかなか伝わらないと苦労することも多いはず。
アドバイスは、とってもシンプル。ここまでご説明したポイントをしっかり押さえることです。
マインドマップを使い込んでいくと、いろんなスキルやノウハウをたくさん学んでいきます。色やイメージさらにはBOIの効果も既に感じているかも知れません。
ところが、周りの方にとっては、一気に新しいモノを同時に学んでいかないといけないのです。だから慌てないこと、効果を感じてもらいながら進めること、そして、理屈をきちんと説明すること。これが重要です。
まずは、単語の重要性からはじめてみませんか。
ところが、周りの方にとっては、一気に新しいモノを同時に学んでいかないといけないのです。だから慌てないこと、効果を感じてもらいながら進めること、そして、理屈をきちんと説明すること。これが重要です。 まずは、単語の重要性からはじめてみませんか。ステップでお伝えするのであれば、7つのステップがオススメです。 |
7つのステップでの伝え方をしっかり、見てみたい方は、ライブセミナーがオススメです。詳しくはこちら。
マインドマップをいますぐしっかりビジネスで使いたい!
マインドマップをビジネスで実践的に活用するためには、この2つの壁を乗り越えていく必要があります。コンテンツを提供する側としては、まず、なぜ、どうやって、各々のかき方には、どんな意味とメリットがあるのかを学ぶステップが必要。さらに、ユーザーの皆様の使いたい用途にあわせて追加スキルがある。
当社ではこれらを、「キーワード思考〜マインドマップ実践的活用法」として、改めて組み立て直しました。ライブセミナーでは、「いますぐ」「しっかり」ビジネスで活用した方に、さまざまなスキルを提供しています。
共通の基本部分としては、かき方の7つのステップ、思考のプロセス、自分とのコミュニケーションの3つが含まれています。用途別活用法としては、iMindMapを含んだ超入門の他、用途別に3つの活用方法を準備しています。
このコンテンツを順次、キンドル版の書籍化シリーズとして、刊行していきます。また、セミナーとしても展開していきます。ご期待下さい。 まずは、2013年1月に発行した「伝える!伝わる!キーワード思考」では、コミュニケーション編について、説明をしました。詳しくは、こちら。 |
マインドマップの初心者がはまるワナ
ここでは、いくつか鍵になるポイントを、解説をしておきましょう。まず、「発散と収束」についてです。
マインドマップの効果が感じられないというケースで、よくあるのが、こんなケースです。
確かに描いている時間は、とっても楽しかったんだけれど、出来上がったモノを見て、さあ仕事に使おうと思ってもどうしていいか分からない。
このワナには、要注意です。実は、マインドマップの書籍には、ほとんど収束に関する記述がありません。そのため、発散ツールとして書き出すことで満足をしてしまうのです。ところが、収束のステップがないと、発散を続けることが、次第に困難になっていきます。
最初は、たくさんの単語を思いつくままにがんがん描きだした。でも、たくさんありすぎて、まとめきらない。次に書くときには、最初から少し選んで書き出すようになります。たくさん描きすぎると「収束できない」と感じるので、少なめに単語を書き出そうとする心理が働きます。しかし、これがくり返されていくとマインドマップの効果が感じられなくなり、結局
なんだ!普通のメモとあまり変わらないじゃないか
となって使わなくなる。
マインドマップの本質は、考えていることの「外部化」
これは、実はマップの本質に関わる大問題。選択してからマップに載せ始めると、効果が半減します。ともかく頭の中で起きていることをどんどん書き出す。書きだしてから考える!これがポイントなのです。
上記のようなサイクルに入ってしまうと、自然とこの本質が崩されていきます!だから要注意なのです。
同様に、イメージを描くことに意識が行き過ぎて書き出す分量が減ってしまうケースや、メインブランチに載せる単語(マインドマップ用語でBOIといいます)を吟味しているうちに、単語を選んで載せるのが習慣になって、結局単語があまりたくさん載っていない。これらは、初心者にとって、同じ種類のワナなのです。
マインドマップのとらえ方として、是非押さえておいて欲しいのが、考えの外部化という考え方。想い伝いモノを何でもいいからともかく書く!このあといろいろな工夫や加工はあるにしても、これが基本なのです。
だから、初心者の方にお願いしたいのは、発散のステップではたくさん書き出すこと。そして、そのあと少し時間を取って、収束をしてみて欲しいのです。
かき方の手順は、7ステップで
しっかりとビジネスパーソンが、理屈としてマインドマップを理解して、納得して書き始めるには、ステップが必要です。今回 無料小冊子の中で、改めてこのステップを公開しました。詳しくは、是非無料小冊子をご覧下さい。無料メール講座付の小冊子のお申し込みは、こちら。
さて、この7ステップですが、1ステップ毎にかき方を学ぶと同時に、発散と収束を分けて捉え、収束のステップを明確に提示しているところに、特徴があります。 また、マインドマップはそもそも新しい手法。だから、同時にいろいろなやり方を学ぶと混乱してしまったり、腑に落ちないまま先に進んでしまうことになりかねません。 7つのステップでは、ひとつずつ、学んでいただく構成になっています。だから、初心者のなぜ?どうして?にしっかり答えられるのです。 |
最後に自分の考えに気付く効果!
考えは、イメージのつながりだ!これがトニーブザン氏の基本認識。これをしっかりと受け止めるには、発散のあとの関連付けがキーワードになります。
既にマインドマップを使いこなしている方でも、この関連付けを入れることで、その効果は、何倍にもなります。なぜなら、これがマインドマップの胆だからです。
イメージの<つながり>は、頭の中で起きたときの並びで、マインドマップ上に標記されます。そのあとの関連付けで、あらたな<つながり>を見つける。だから、自分の考えに気付いてしまうのです。
予想以上に、自分の考えを知らない!このことに驚かれるかも知れません。